三代徳田八十吉
徳田八十吉（とくだ・やそきち、本名 徳田正彦＝とくだ・まさひこ）昭和8年9月14日生まれ。
金沢美術工芸短期大学（現金沢美術工芸大学）陶磁科出身。故初代八十吉に師事し、九谷焼の上絵釉薬の研究をする。また、故二代八十吉によって、現代陶芸のもとを学ぶ。
昭和42年6月、小松周辺に所蔵される古九谷・吉田屋等の作品を展示した「九谷古陶磁展」に感ずるところあって、古九谷の研究を始める。古九谷（特に「青手古九谷」）などの優れた表現方法をもとに現代に生かす工夫を重ね、主に色釉のみで器面を埋め、その濃淡の微妙な変化の美しさ、色彩の対比の美しさを表現する独自の様式を確立した。
中国・明代の景徳鎮に始まる彩釉磁器の世界に新生面を切り開いたものとして高く評価された。このような高い評価などによって、平成9年6月に国指定重要無形文化財（人間国宝）に認定され、平成21年8月26日 逝去。
現在は四代目が活躍中。
古九谷窯 色絵鳳凰図平鉢
古九谷窯 青手樹木図平鉢
吉田屋窯 山鳩と太湖石図平鉢
耀彩壷 恒河
耀彩鉢 黎明
碧明耀彩遊線文壷
陶歴
| 昭和8年 | 石川県に生まれる 金沢美術工芸大学中退後、祖父初代・父二代に師事 |
|---|---|
| 昭和46年 | 第18回日本伝統工芸展初出品作「彩釉鉢」優秀賞NHK会長賞受賞 |
| 昭和52年 | 第24回日本伝統工芸展出品作「燿彩鉢」最優秀賞日本工芸会総裁賞受賞 |
| 昭和53年 | 日本伝統工芸展特待・鑑査員に推挙さる |
| 昭和61年 | エジプト・カイロにて個展、以後海外展18回 |
| 昭和63年 | 三代八十吉を襲名 |
| 平成2年 | 小松市文化賞受賞・90国際陶芸展グランプリ受賞 |
| 平成3年 | 第11回日本陶芸展推選出品作「創生」グランプリ秩父宮賜杯受賞・外務大臣表彰 |
| 平成5年 | 紫綬褒章受章 |
| 平成9年 | 第10回日本ＭＯＡ岡田茂吉賞大賞受賞 重要無形文化財彩釉磁器保持者（人間国宝）に認定さる 小松市に於ける五人目の名誉市民に推挙さる |
| 平成10年 | 「燿彩線文壷」メトロポリタン美術館に収蔵さる |
| 平成12年 | ローマ日本文化会館にて個展 |
| 平成16年 | シドニー画廊「クアドリヴィアム」にて個展 |
| 平成19年 | 大英博物館主催、日本「わざの美展」於ロンドン 「私の歩んだ道」と題し記念講演する。 |
| 平成21年 | 8月26日 逝去。その後、功績により「旭日小授賞」される。 |
※文化庁、国立博物館、国立近代美術館、メトロポリタン美術館、大英博物館、スミソニアン・サックラ−美術館等に作品収蔵さる
現在：日本伝統工芸展、審・鑑査員・特待
国指定重要無形文化財 日本工芸会常任理事
一水会陶芸部運営委員 金沢美術工芸大学客員教授
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