吉田美統
吉田 美統（よした みのり、本名 吉田 稔）
祖父の代から続く陶家錦山窯の二代清一の長男として小松で生まれた。
1955(昭和30)年に地元の青年産業研究会の発表会に新製品を発表、つづいて1960(昭和35)年には現代美術展に入選、1962年に第1回九谷焼新作展に出品した｢赤絵花瓶｣が第2席に入賞したことによって、色絵作家としての自覚が深まったのか、二代徳田八十吉に指導を受けるようになる一方で、武蔵野美術短期大学の特修科生となって工芸デザインを習得している。やはり色絵に生きるからにはデザインこそ必須のものということであったのであろう。
1972(昭和47)年には一水会陶芸展に入選して、いよいよ中央の公募展を目指すようになった。
釉裏金彩大山蓮花文鉢 径50.0 高12.0
2000年日本伝統工芸 日本工芸会保持者賞
作品解説
放射線状の萌黄釉下絵の上に金箔を厚手と薄手を使い分けて、大山蓮花の花や葉とその間を遊ぶ小鳥の模様を表現し、その上に透明釉をかけて焼成した釉裏金彩の作品である。金箔の厚さと薄さが焼成温度に左右されて、微妙な味わいを見せ、気品ある色調と相まって格調高い作品となっている。
略歴
| 昭和7年 | 小松市に生まれる |
|---|---|
| 昭和26年 | 錦山窯を継ぎ作陶の道に入る |
| 昭和38年 | 九谷焼新作展に知事賞受賞 |
| 昭和51年 | 朝日陶芸展奨励賞受賞 |
| 昭和55年 | 第三回伝統九谷焼工芸展優秀賞受賞 |
| 昭和59年 | 中日国際陶芸展奨励賞受賞 日本伝統工芸展奨励賞受賞 |
| 平成4年 | 日本伝統工芸展高松宮記念賞受賞 石川県指定無形文化財九谷焼技術保存会技術保持者に認定される |
| 平成7年 | 日本陶磁協会賞受賞 第四十二回日本伝統工芸展鑑査委員 |
| 平成9年 | 国際色絵陶磁器フェア'97受賞 |
| 平成12年 | 第四十七回日本伝統工芸展鑑査委員 第四十七回日本伝統工芸展保持者賞受賞 |
| 平成13年 | 紫綬褒章受賞 国指定重要無形文化財保持者認定 |
| 平成18年 | 旭日小綬章受章 |
| 平成23年 | 財団法人石川県美術文化協会理事 |
現在 石川県指定無形文化財、日本工芸会正会員
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